高嶺の寺子さんは、銀髪の先輩に溺れることにした
寺子さんの秘密
放課後の教室。
クラスメイトは部活やデート、遊びの予定で浮き足立っていた。
その中で、私は一人帰る支度をする。
何故なら、高校2年生にして門限が決まっているから。
その時間は、17時半。
そして、今の時刻は16時半。
まだ余裕はあるけれど、特にやることもないので、早々に帰って寺子屋の子供たちに勉強を教えようと思う。
教室を出て生徒玄関に向かうと、2年生の下駄箱の前で、派手な先輩達が数人集まっていた。
皆、髪が明るくて制服を着崩している。
「すみません、通ります」
「あ、高嶺の寺子さんだ」
「やっぱり美人だわー。1回付き合ってみたい」
「分かるわ。でも、意外と性格キツそ」
ヒソヒソと話してはいるけれど、全部聞こえていますよ。