高嶺の寺子さんは、銀髪の先輩に溺れることにした
午後の授業が終わり、ホームルームを向かえた。
教室は今までで一番、ざわついてる。
「よーし、今日からしばらくこの席だからな。皆仲良くしろよ」
新学期以来の席替えが行われたのだ。
私の席は、窓際の後ろから2番目。
「寺門さん、よろしく」
「よ、よろしくお願いします」
声をかけてくれたのは、隣の席の男子。
名前は
「しっかり話すの初だよね。俺、津崎条」
何とも、笑顔の可愛い方。
しかも、フレンドリーに接してくれる。
くりくりの大きな目が魅力だ。
「条さんって、貫禄のある名前だね」
「そうなんだよね、名前負けしてる」
「そんなことないよ。とても素敵だわ」
「そうかな? ありがとう、寺門さんは優しいね」
そんなこと言われたのは、いつ以来だろう。
少し照れてしまう。
「そ、それは津崎くんが優しくしてくれるから」
「フッ、寺門さんって、噂によらず可愛いんだね」
「そんなこと! って、噂って何?」
「チャラい先輩と付き合ってるんでしょ?」