追放聖女はスパダリ執事に、とことん甘やかされてます!
そこから先は、ヘレナにとっては順調そのものだった。
レイに言われた通りの手順で玄関、居間と床を磨いていく。ピカピカに光った床を見ると、何だか心が洗われる心地がした。汚れと一緒に、迷いや悩みまで消えて無くなるような、そんな感覚だ。
「ねぇ、レイ……東の方には『万物に神様が宿る』って信じている国があるのよね?」
ふとそんなことが頭を過って、ヘレナは尋ねる。それは幼い頃、レイがヘレナに教えてくれた知識の内の一つだった
「そうですね。海や空、木々や花々といった自然に始まり、家や食べ物といった無機物迄、あらゆるものに神が宿ると信じている国があると聞いています。
その国では、神の声を聞けるもの――――その子孫が代々国王になるんだそうです。他の誰にも無い特別な力ですからね。王は神そのもの――――そういう考えも存在するようです。
そういう意味で言えばお嬢様――――聖女であるあなたも、十分王になり得るのですよ」
レイはそう言ってそっと目を伏せた。
レイに言われた通りの手順で玄関、居間と床を磨いていく。ピカピカに光った床を見ると、何だか心が洗われる心地がした。汚れと一緒に、迷いや悩みまで消えて無くなるような、そんな感覚だ。
「ねぇ、レイ……東の方には『万物に神様が宿る』って信じている国があるのよね?」
ふとそんなことが頭を過って、ヘレナは尋ねる。それは幼い頃、レイがヘレナに教えてくれた知識の内の一つだった
「そうですね。海や空、木々や花々といった自然に始まり、家や食べ物といった無機物迄、あらゆるものに神が宿ると信じている国があると聞いています。
その国では、神の声を聞けるもの――――その子孫が代々国王になるんだそうです。他の誰にも無い特別な力ですからね。王は神そのもの――――そういう考えも存在するようです。
そういう意味で言えばお嬢様――――聖女であるあなたも、十分王になり得るのですよ」
レイはそう言ってそっと目を伏せた。