追放聖女はスパダリ執事に、とことん甘やかされてます!
(……やっぱり今日も捕まってた)
ヘレナの予想通り、レイは未だに教会の外に居た。馬を停めてから礼拝堂で落ち合う約束をしているのだが、毎回こうしてヘレナが迎えに行く羽目になる。街の女の子達に引き止められるからだ。
「レイさん、私の家でお茶はいかが? 父がレイさんに会ってみたいんですって」
「うちの父は宝石商をしておりますの! レイさんに良く似合う宝石をプレゼントしますわ」
「我が家は王室にも伝手がありますのよ」
今日も今日とて、数人の女の子達がレイの周りを囲んでいる。皆キラキラと瞳を輝かせ、活気に満ちた様子だ。彼女達は、レイが少し目配せをするだけで、天にも昇りそうな表情を浮かべる。そんな光景を見る度に、何故かヘレナの胸が小さく軋んだ。
(そろそろ声を掛けて良いかなぁ?)
彼女達の心証を悪くしてはいけないので、ある程度様子を見守ったのち、ヘレナは声を掛けることにしている。
「レイ――――」とヘレナが口を開きかけたその時、女の子の一人がズイとレイに詰め寄った。
「レイさん、実はわたくしそろそろ結婚を考えていまして!」
「ちょっ……ずるいっ! 私だってそうですわ! 誰か素敵な人がいないかな……って思っていた矢先にレイさんを見つけて!」
「抜け駆けしないでよ! この街の皆がレイさんに恋焦がれているんですよ? 是非是非結婚してほしいって……」
その瞬間、ヘレナの心臓がドクンと跳ねる。
ヘレナの予想通り、レイは未だに教会の外に居た。馬を停めてから礼拝堂で落ち合う約束をしているのだが、毎回こうしてヘレナが迎えに行く羽目になる。街の女の子達に引き止められるからだ。
「レイさん、私の家でお茶はいかが? 父がレイさんに会ってみたいんですって」
「うちの父は宝石商をしておりますの! レイさんに良く似合う宝石をプレゼントしますわ」
「我が家は王室にも伝手がありますのよ」
今日も今日とて、数人の女の子達がレイの周りを囲んでいる。皆キラキラと瞳を輝かせ、活気に満ちた様子だ。彼女達は、レイが少し目配せをするだけで、天にも昇りそうな表情を浮かべる。そんな光景を見る度に、何故かヘレナの胸が小さく軋んだ。
(そろそろ声を掛けて良いかなぁ?)
彼女達の心証を悪くしてはいけないので、ある程度様子を見守ったのち、ヘレナは声を掛けることにしている。
「レイ――――」とヘレナが口を開きかけたその時、女の子の一人がズイとレイに詰め寄った。
「レイさん、実はわたくしそろそろ結婚を考えていまして!」
「ちょっ……ずるいっ! 私だってそうですわ! 誰か素敵な人がいないかな……って思っていた矢先にレイさんを見つけて!」
「抜け駆けしないでよ! この街の皆がレイさんに恋焦がれているんですよ? 是非是非結婚してほしいって……」
その瞬間、ヘレナの心臓がドクンと跳ねる。