追放聖女はスパダリ執事に、とことん甘やかされてます!
「聖女ヘレナ様――――イーサン殿下のご病気を治していただき、ありがとうございました。近衛騎士の一人として、心から感謝を申し上げます」
深々と頭を下げ、僕は感謝の意を表す。
ヘレナ様は本物の聖女様だった。ストラスベストには過去に聖女が誕生したことが無い。だから正直彼女が聖女であることについて、最初は半信半疑だった。だけど、実際に奇跡を目の当りにしたらそんなことは言ってられない。
「いえ、そんな……わたしは自分のために殿下の治療をしただけですから」
そう言ってヘレナ様は頬を紅く染め、恥ずかし気に顔を背ける。そんな彼女のことをレイモンド様が愛し気に見つめていた。ヘレナ様の左手の薬指にはエメラルドの指輪が光っている。
(ご婚約なさったのか……)
エメラルドはレイモンド様の瞳の色だ。本当に独占欲が強いというかなんというか、ヘレナ様にべた惚れなんだなぁと思う。
(いよいよここでの僕の働きが重要になってくる)
グッと気を引き締めて、僕は真っ直ぐヘレナ様を見つめた。
「そこで――――失礼を承知でヘレナ様にお願い事を申し上げます。
どうか我が国のためにも、あなた様のお力をお貸しいただけないでしょうか?」
「――――力をお貸しする、とは?」
そう言ってヘレナ様は小さく首を傾げた。僕は大きく深呼吸をし、ゆっくりと首を垂れる。普段チャラけているけど、やる時はやる男だ。
深々と頭を下げ、僕は感謝の意を表す。
ヘレナ様は本物の聖女様だった。ストラスベストには過去に聖女が誕生したことが無い。だから正直彼女が聖女であることについて、最初は半信半疑だった。だけど、実際に奇跡を目の当りにしたらそんなことは言ってられない。
「いえ、そんな……わたしは自分のために殿下の治療をしただけですから」
そう言ってヘレナ様は頬を紅く染め、恥ずかし気に顔を背ける。そんな彼女のことをレイモンド様が愛し気に見つめていた。ヘレナ様の左手の薬指にはエメラルドの指輪が光っている。
(ご婚約なさったのか……)
エメラルドはレイモンド様の瞳の色だ。本当に独占欲が強いというかなんというか、ヘレナ様にべた惚れなんだなぁと思う。
(いよいよここでの僕の働きが重要になってくる)
グッと気を引き締めて、僕は真っ直ぐヘレナ様を見つめた。
「そこで――――失礼を承知でヘレナ様にお願い事を申し上げます。
どうか我が国のためにも、あなた様のお力をお貸しいただけないでしょうか?」
「――――力をお貸しする、とは?」
そう言ってヘレナ様は小さく首を傾げた。僕は大きく深呼吸をし、ゆっくりと首を垂れる。普段チャラけているけど、やる時はやる男だ。