課長に恋してます!
 2才年下の妹は、高校卒業と同時に担任だった先生と結婚した。
 学校生活を送ると同時に、密かに先生との恋を実らせたが、両親は結婚に大反対で、それは、それは大変だった。
 しかし、子どもが生まれた事でこじれていた親子関係も修復し、今は幸せな家庭生活を送っている。

 そして、今日は高校時代の友人の結婚式で、担任だった先生、つまり旦那さんと一緒に出席する事になっていた。
 なので、妹の子供、5才の流星(りゅうせい)を実家で預かる予定になっていた。

 ところが今朝、母がぎっくり腰になりそれ所ではなくなった。
 父だけでは流星の面倒と、ぎっくり腰の母の面倒は見切れないそうだ。

 愛美(いもうと)の泣きつくような声が電話越しに響く。

「お姉ちゃんしか頼れる人がいないのー、孝明さんのご両親に来てもらうには遠すぎるし」

 旦那さんの実家は福岡にあった。
 妹の家は千葉にある。
 確かに私しかいない。
 でも、私だって大事な約束がある。

 あー、どうしたらいいの……。
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