課長に恋してます!
「みづき、どっか痛いの?」
流星が心配そうに大きな目を向ける。
流星が悪いんじゃない。
大人の都合でこうなってしまっただけ……。
不安にさせたらいけない。
「大丈夫だよ。なんでもないの」
ニッコリと微笑むと流星がほっとしたような顔をした。
「ねえ、おかしのおみせは?」
「うん。お菓子のお店は今から行くよ。でも、ちょっと待ってね。待ち合わせの人がいるの」
「やだ。今行く」
「待ってよ。もう少しだけだから」
「やだ」
「りゅうちゃん。ねえ、言う事聞いて」
できる限り優しい言葉をかけたつもりだったけど、流星が不機嫌そうに顔をくしゃっとさせた。
「やだ、やだ、やだ、やだーーーー!」
流星が大声を上げる。
こんな風に流星が強く拒絶する所を見た事がない。
ママと離れて不安なのかもしれない。
「ねぇ、りゅうちゃん、落ち着いて」
「やだ、やだ、やだ――! 今すぐお菓子!」
周囲の人たちの痛い程の視線を感じる。
何とかしなきゃ。
「わかった。お菓子の所行くから、ねえ、りゅうちゃん」
「今行く! すぐ行く!」
流星が左手を引っ張った。
強い力で引っ張られて痛い。
「ちょっと待ってよ」
「今行くのーー!」
「お兄ちゃんは大きな声で叫ばないぞ」
流星が誰かに話しかけられた。
流星が驚いた顔をする。
そして私も。
「……課長」
紺色のコート姿の課長が屈んで流星と向き合っていた。
「一瀬君、久しぶり」
屈んだまま課長が顔を上げた。
目が合うと、課長が目を細めて、優しい顔で笑う。
胸がキュンとした。
流星が心配そうに大きな目を向ける。
流星が悪いんじゃない。
大人の都合でこうなってしまっただけ……。
不安にさせたらいけない。
「大丈夫だよ。なんでもないの」
ニッコリと微笑むと流星がほっとしたような顔をした。
「ねえ、おかしのおみせは?」
「うん。お菓子のお店は今から行くよ。でも、ちょっと待ってね。待ち合わせの人がいるの」
「やだ。今行く」
「待ってよ。もう少しだけだから」
「やだ」
「りゅうちゃん。ねえ、言う事聞いて」
できる限り優しい言葉をかけたつもりだったけど、流星が不機嫌そうに顔をくしゃっとさせた。
「やだ、やだ、やだ、やだーーーー!」
流星が大声を上げる。
こんな風に流星が強く拒絶する所を見た事がない。
ママと離れて不安なのかもしれない。
「ねぇ、りゅうちゃん、落ち着いて」
「やだ、やだ、やだ――! 今すぐお菓子!」
周囲の人たちの痛い程の視線を感じる。
何とかしなきゃ。
「わかった。お菓子の所行くから、ねえ、りゅうちゃん」
「今行く! すぐ行く!」
流星が左手を引っ張った。
強い力で引っ張られて痛い。
「ちょっと待ってよ」
「今行くのーー!」
「お兄ちゃんは大きな声で叫ばないぞ」
流星が誰かに話しかけられた。
流星が驚いた顔をする。
そして私も。
「……課長」
紺色のコート姿の課長が屈んで流星と向き合っていた。
「一瀬君、久しぶり」
屈んだまま課長が顔を上げた。
目が合うと、課長が目を細めて、優しい顔で笑う。
胸がキュンとした。