課長に恋してます!
 東京駅一番街にある、おかしランドに行くと、流星の機嫌もなんとか直った。
 おかしらんど内のイートインスペースで、流星は椅子に座って課長に買ってもらったソフトクリームをなめている。そして、その隣にはコーヒーを飲む課長が。

 課長と流星が並んでいるのが、なんか不思議な光景。
 二人の様子を見ていると、課長と目が合う。

「課長、本当にすみません」

 妹の子供を預かる経緯をここに来るまでに話していた。

「気にしないで。りゅうちゃんに会えて嬉しいよ。ねえ、りゅうちゃん、行きたい所ある?」

 流星が目を輝かせて課長を見た。

「お城が見たい!」
「お城?」
「あ、流星、時代劇とか好きなんです。それで、東京駅に来ればお城が見えるよって言って、連れて来ちゃったんです」
「へえー、時代劇が好きなんだー」

 感心したように課長が流星を見た。

「じゃあ、皇居がいいかな。ちょっとあるよね。お城っぽいの」
「あるんですか?」
「うん。中には入れないんだけど、見る事はできるよ。あと、江戸城の石垣が残ってるんだよ」
「行きたい!」

 流星が急に大声を出した。

「決まりだね」
 課長が流星の頭を撫でた。
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