課長に恋してます!
 皇居を出た後は東京駅方面に歩いた。
 丸の内の辺りまで来るとカフェやレストランがあって、流星がオムライスが食べたいと言ったので、洋食屋さんに入った。

 ほんのりバターの甘い香りが漂う店内は大正時代の洋館みたいな素敵な雰囲気がある所だった。天井に格子状に張り巡らされた焦げ茶色の梁と、レトロ感のある大きなシャンデリアが目についた。落ち着いた大人のお店って感じで課長に合っている気がする。

 テーブル席が並ぶ店の広さは狭くも広くもなく丁度いい。客席は七割ぐらいが埋まっていて、カップルが多い。
 子ども連れなのは私たちだけ。

 せっかく素敵なお店に入ったのに、流星がいるんだよな。
 課長と二人だけで入りたかった。
 
 そんな事を考えていると課長の二重の目と合う。
 課長が目尻を下げて優しく微笑んでくれる。
 
 ドキッとして、慌てて目を逸らした。
 目が合うだけで、ドキドキする。
 
 課長、カッコよすぎます。
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