課長に恋してます!
  天ぷら屋を出ると、22時ぐらいなっていた。
 駅まで一瀬君と歩いた。
 
 できるだけゆっくり歩いた。
 
 お互いに口数は少なかった。
 店に向かってた時はウキウキして楽しかったのに。

 今度いつ一瀬君に会えるんだろう。
 香港という距離が遠く感じる。

 帰りたくない。

 そんな事思える立場ではないのに、思ってしまう。

「帰りたくない」

 立ち止まった一瀬君が言った。

「なんて言ったらどうします?」

 一瀬君が冗談にするように笑った。
< 129 / 174 >

この作品をシェア

pagetop