課長に恋してます!
 専務の言葉が何度も何度も頭の中でリピートされ、胸に突き刺さった。

 ――上村を困らせないで欲しい

 ――上村に会うのは止めなさい

 オフィスに戻って来て、パソコンに向かって仕事をするけど集中できない。
 
 香川専務があんな風に私に言ったのは上村課長から私の話を聞いたから?
 課長、私の事を困っているって話していたのかな……。
 
 確かに、困らせるような事も言ったけど、ちゃんと身は引いた。
 強引に課長について行く事もしなかった。

「一瀬! 聞いてんのか!」

 石上の怒声が頭の上から飛んで来た。

 ハッとした。

「やる気がないなら、もう帰れ! 足を引っ張るだけだ!」

 石上が本気で怒ってる。

「すみません」
「先輩、会議室の準備手伝って下さい」

 間宮が救いの手を差し伸べてくれる。
 間宮にくっついて会議室に行った。
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