課長に恋してます!
「一瀬先輩、何があったんですか?」

会議室に入ると、間宮が心配するように見てくる。
間宮と二人きりだった。

「もしかして香川専務ですか? 仕事の事で注意されたんですか?」

一生懸命に心配してくれる間宮が愛しい。
間宮はいい子だな。

間宮に相談したいけど、これ以上、心配をかけたくない。

「うん。まあ。ちょっとね。でも、大丈夫よ」
ニコッと笑うと間宮がまだ心配そうにしていたけど、それ以上は聞いて来なかった。

 何とか就業時間を終えて、会社を一人で出た。

 今日は間宮に沢山心配させてしまった。

 石上にも迷惑をかけた。
 みんなに申し訳ない。

 そう思いながら地下鉄に揺られる。
 車内はいつも通り混雑している。

 ドア付近に立ち、真っ暗な窓の外を眺めた。
 胸がどんどん苦しくなる。

 私の存在が課長の迷惑になっていると思ったら居たたまれない。
 香川専務の言うよにもう会わない方がいいのかもしれない。

 でも、会いたい。

 どうしてこんなに上村課長の事が好きなんだろう。
 なんで簡単に諦められないんだろう。

 人を好きになる気持ちがこんなに強いとは思わなかった。
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