課長に恋してます!
 最寄り駅で降りた。
 階段を上って改札を通ろうとした時、その先に見覚えのある背中を見つける。
 
 紺色のコートを着た、その背中を凝視していると、ゆっくりとその人物が振り返る。
 その人も私に気づいて、優しい笑みを浮かべた。

「一瀬君」

 近くまで行くとそう呼ばれた。

「……上村課長」

 課長の顔をじっと見上げた。
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