課長に恋してます!
葵が入院している大学病院に着くと、直樹くんのお母さんが出迎えてくれた。直樹くんは徹夜で葵に付き添ってくれ、今は家で休んでると説明をされた。
葵が入院している二階の婦人科病棟に行った。
ナースステーションから一番近くの病室に葵は一人で入院してた。
スライド式のドアを開けて室内に入ると、窓際のベッドが目に入る。その周りには医療機器や、点滴類が物々しい雰囲気で設置されていた。
「お父さん……」
近くに行くと、葵が弱々しい声で言った。
昨日の朝、長野を発つ時に会った葵とは別人のように青白い顔をしている。
「体調はどうだ?」
ベッドの側に腰を下ろして妊娠して少しふくよかになった葵の丸顔を見た。
「うん。今は大丈夫」
葵が笑う。ゆり子譲りの口元の黒子が上がった。
年を重ねる毎に葵はゆり子に似てくる。
「ごめんね。心配かけて。今日、香港に戻るのに」
「親なんだから、駆けつけるのは当たり前だよ」
「お父さんはいつもそう言うね。親なんだから当たり前だって」
「そうか」
「そうだよ。真一には言わないのに」
「何言ってんだ」
「私ってそんなに心配なのかなと思って」
「息子より娘の方が可愛いんだよ」
「真一が聞いたら怒るんじゃない?」
「仕方ないだろ。本当の事なんだから」
葵が弱々しい声で笑う。
思っていたより元気そうで良かった。
しかし、心配だ。出来る限り側にいてやりたい。
葵が入院している二階の婦人科病棟に行った。
ナースステーションから一番近くの病室に葵は一人で入院してた。
スライド式のドアを開けて室内に入ると、窓際のベッドが目に入る。その周りには医療機器や、点滴類が物々しい雰囲気で設置されていた。
「お父さん……」
近くに行くと、葵が弱々しい声で言った。
昨日の朝、長野を発つ時に会った葵とは別人のように青白い顔をしている。
「体調はどうだ?」
ベッドの側に腰を下ろして妊娠して少しふくよかになった葵の丸顔を見た。
「うん。今は大丈夫」
葵が笑う。ゆり子譲りの口元の黒子が上がった。
年を重ねる毎に葵はゆり子に似てくる。
「ごめんね。心配かけて。今日、香港に戻るのに」
「親なんだから、駆けつけるのは当たり前だよ」
「お父さんはいつもそう言うね。親なんだから当たり前だって」
「そうか」
「そうだよ。真一には言わないのに」
「何言ってんだ」
「私ってそんなに心配なのかなと思って」
「息子より娘の方が可愛いんだよ」
「真一が聞いたら怒るんじゃない?」
「仕方ないだろ。本当の事なんだから」
葵が弱々しい声で笑う。
思っていたより元気そうで良かった。
しかし、心配だ。出来る限り側にいてやりたい。