課長に恋してます!
23 会社の人【美月】
改札を出て、課長に駆け寄った。
やっぱり上村課長だ。香港に戻ってるはずの課長がいる。
土曜日に会った時と同じ服装……。
夢じゃない。
課長の胸に飛び込みたい。
「一瀬君、お疲れ様」
「お疲れ様です。どうしたんですか?」
「用事があって立ち寄ったんだよ」
だよね。私を待っていた訳ないか。私に会いに来る理由ないもんね。
「じゃあ、会えたのは偶然ですか?」
「まあね」
何かのついででも、会えて嬉しい。
「ご褒美をもらったみたい」
「ご褒美?」
「はい。それぐらい課長に会えて嬉しいんです。会いたかったです」
「一瀬君……」
課長の目が真っすぐこっちに向く。
それから穏やかな笑みを浮かべて、「僕も」と小さな声で言われた気がした。
「え?」
訊き返すと、ハッとしたように課長が眉を上げて「ううん」と発言を取り消すように首を振る。
「じゃあ、元気で」
会ったばかりなのに、課長が改札に向かって歩き出した。
「待って下さい」
思わず課長の腕を掴んだ。
立ち止まった課長が驚いたようにこっちを見る。
娘さんの事も、私の事で悩んでいる事も聞きたかったし、香川専務が言う通り私の存在が課長の迷惑になっているか確かめたい。
「あの、課長に訊きたい事があるんです。でも、外では話しづらい内容だから、その……」
私の家に来て下さいって言葉が喉の奥にひっかかる。
課長は急いでいるかもしれないし、家に誘うのは困らせる事になるかも。
「わかった。じゃあ、一瀬君の家にお邪魔してもいい?」
課長、私の言いたい事わかってくれた。
「はい。そうして頂けるとありがたいです」
笑顔を向けると課長も穏やかな顔で微笑んだ。
落ち込んでいた気分が嘘みたいになくなって幸せで胸がポカポカしてくる。
課長は凄いな。会っただけで、いつも私を幸せにしてくれる。
やっぱり上村課長だ。香港に戻ってるはずの課長がいる。
土曜日に会った時と同じ服装……。
夢じゃない。
課長の胸に飛び込みたい。
「一瀬君、お疲れ様」
「お疲れ様です。どうしたんですか?」
「用事があって立ち寄ったんだよ」
だよね。私を待っていた訳ないか。私に会いに来る理由ないもんね。
「じゃあ、会えたのは偶然ですか?」
「まあね」
何かのついででも、会えて嬉しい。
「ご褒美をもらったみたい」
「ご褒美?」
「はい。それぐらい課長に会えて嬉しいんです。会いたかったです」
「一瀬君……」
課長の目が真っすぐこっちに向く。
それから穏やかな笑みを浮かべて、「僕も」と小さな声で言われた気がした。
「え?」
訊き返すと、ハッとしたように課長が眉を上げて「ううん」と発言を取り消すように首を振る。
「じゃあ、元気で」
会ったばかりなのに、課長が改札に向かって歩き出した。
「待って下さい」
思わず課長の腕を掴んだ。
立ち止まった課長が驚いたようにこっちを見る。
娘さんの事も、私の事で悩んでいる事も聞きたかったし、香川専務が言う通り私の存在が課長の迷惑になっているか確かめたい。
「あの、課長に訊きたい事があるんです。でも、外では話しづらい内容だから、その……」
私の家に来て下さいって言葉が喉の奥にひっかかる。
課長は急いでいるかもしれないし、家に誘うのは困らせる事になるかも。
「わかった。じゃあ、一瀬君の家にお邪魔してもいい?」
課長、私の言いたい事わかってくれた。
「はい。そうして頂けるとありがたいです」
笑顔を向けると課長も穏やかな顔で微笑んだ。
落ち込んでいた気分が嘘みたいになくなって幸せで胸がポカポカしてくる。
課長は凄いな。会っただけで、いつも私を幸せにしてくれる。