課長に恋してます!
 火を消そうとしたら、課長が火を止めた。
 すぐ後ろに課長が立っていた。

「帰るよ。飛行機の時間があるから」

 課長が玄関に向かう。
 泣いたままの顔で課長を追いかけた。

「課長……」

 課長は黙ったまま靴を履いた。

「何か言って下さい」

 課長がこっちを見た。
 目が合う。

「私の事、どう思ってるんですか?」
 見つめ合ったまま沈黙が流れた。

「少しは……好きになってくれましたか?」
 憐れむような目とぶつかる。
 あの時と同じだ。
 二か月前に課長に抱き着いた時と。

「……何か言って下さい」
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