課長に恋してます!
 月曜日の夜、一瀬君を傷つけた。
 もう一瀬君には個人的には会わない。彼女にも僕を忘れて欲しかった。
 だからハッキリと妻を好きだと言った。

 だけど――。
 
 一瀬君の泣き顔が離れない。

「一瀬君は元気かな?」
 ついそんな言葉が出た。
 石上君が小さくため息をついた。

「あいつ、風邪で休んでますよ。今週いっぱいは休むみたいです」

 石上君がこっちを見た。

「酷い風邪を引いたみたいですよ」

 心配になる。

「酷いって、インフルエンザとか?」
「もっと酷いかもしれません」
「まさか、入院なんて事は……」
「入院してたらどうしますか?見舞いに行きますか?」
「本当に入院してるのか」

 心配で堪らなくなる。
 すぐに日本に帰る日取りを思い浮かべた。

「心配で仕方ないって顔してますね」
「そりゃ、元部下だから」
「それだけですか?」

 石上君が挑むような目を向けてくる。

「月曜日に、一瀬に会ったんでしょ?」
 さらに石上君が険しい表情を浮かべた。
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