課長に恋してます!
 ゆり子と付き合って半年が経った頃、結婚する事を打ち明けられた。

 ゆり子と同じ年の男で、銀行に勤めてて、経済的にしっかりしている大人だった。僕と出会う前から男と付き合っていたと聞いて、ゆり子と僕の関係が何なのか、わからなくなった。
 
 ゆり子に詰め寄ると、年が違い過ぎると言われた。
 同じ年だったら良かったのかと、聞いた。ゆり子はそうだと言った。 

 傷ついた。ゆり子から見たら僕は子供(ガキ)だった。
 ゆり子の幸せを願って身を引くしかなかった。

 それから三友(みつとも)商事に就職して、偶然ゆり子と再会した。
 子どもがいた。葵だった。
 幸せな結婚生活を送っていると思ったが、そうじゃなかった。
 旦那に暴力を振るわれていた。
 守らなければいけないと思った。
 強引にゆり子を連れ出して、一緒に暮らした。
 そして、旦那との離婚が成立した時、プロポーズをした。
 ゆり子を誰よりも愛していたし、葵の父親になる自信もあった。

 しかし、ゆり子は、自分の背負ってる苦労を背負わせたくないと断り、僕の所を出て行った。
 それでも諦められなくて、ゆり子の所に通った。
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