課長に恋してます!
2時半ごろレストランを出て、人でごった返す、ネイザンロードを歩いた。
ブランドショップや、時計屋、宝石屋、ドラッグストア、土産物屋のような庶民的な店までが並んでいた。
「すごい人。しかも外国の人が多そうですね」
一瀬君が目を丸くする。
「世界中の人が来るらしいよ。だからいつも混んでるんだよ。一瀬君、入りたいお店ある?」
「特には」
「人ごみは苦手?」
「はい。迷子になりそうなので、ちょっと怖いです」
「じゃあ」
一瀬君の手を握った。指先が冷たくなっていた。
「これで迷子にはならないよ」
「あ、ありがとうございます」
にこやかに微笑んでいた一瀬君の頬が強張った気がする。
「嫌だった?」
「嫌じゃありません。ずっと握っていたいです。課長の手あったかいから」
そんな事を言われたら、胸がキュンとしてしまう。
なんて可愛い事を言うんだろう。
「お土産見てみようか」
ドキドキした気持ちを誤魔化すように目の前にあった土産物屋に入った。
「素敵」と言って一瀬君が翡翠の宝飾品の前で立ち止まった。
ブレスレットや、指輪があった。
「これって、翡翠ですか?」
「うん。中国の人は翡翠が好きらしいよ。パワーストーンなんだって」
「そうなんですか」
一瀬君が控えめなデザインの指輪を手に取る。
「一瀬君に似合いそうだね」
「そうですかね」
指輪をつけた一瀬君が、何だか嬉しそうだ。
気に入ったのなら買ってあげようか。
「課長はずっと指輪をつてけますね」
一瀬君の視線が僕の左薬指に向いた。
ブランドショップや、時計屋、宝石屋、ドラッグストア、土産物屋のような庶民的な店までが並んでいた。
「すごい人。しかも外国の人が多そうですね」
一瀬君が目を丸くする。
「世界中の人が来るらしいよ。だからいつも混んでるんだよ。一瀬君、入りたいお店ある?」
「特には」
「人ごみは苦手?」
「はい。迷子になりそうなので、ちょっと怖いです」
「じゃあ」
一瀬君の手を握った。指先が冷たくなっていた。
「これで迷子にはならないよ」
「あ、ありがとうございます」
にこやかに微笑んでいた一瀬君の頬が強張った気がする。
「嫌だった?」
「嫌じゃありません。ずっと握っていたいです。課長の手あったかいから」
そんな事を言われたら、胸がキュンとしてしまう。
なんて可愛い事を言うんだろう。
「お土産見てみようか」
ドキドキした気持ちを誤魔化すように目の前にあった土産物屋に入った。
「素敵」と言って一瀬君が翡翠の宝飾品の前で立ち止まった。
ブレスレットや、指輪があった。
「これって、翡翠ですか?」
「うん。中国の人は翡翠が好きらしいよ。パワーストーンなんだって」
「そうなんですか」
一瀬君が控えめなデザインの指輪を手に取る。
「一瀬君に似合いそうだね」
「そうですかね」
指輪をつけた一瀬君が、何だか嬉しそうだ。
気に入ったのなら買ってあげようか。
「課長はずっと指輪をつてけますね」
一瀬君の視線が僕の左薬指に向いた。