秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
「うん・・次の社長のことだよね・・」

「ん? 次の社長のこと?」

「えっ、違うの?」


顔を見合わせた俺たちの前に、『おまちどぉさま〜』とラーメンが置かれた。


「とりあえず、食うか」

「う、うん、そうだね」


次の社長のこと・・。
正直、そんなことはどうでも良かった。

親父が、適切な人材を配置するんだろうから。


そうじゃなくて・・。


「なぁ桜。なんで社長降りるんだよ」


そう遠回しに聞くので精一杯だった。


「それは・・支えたい人が・・ずっとそばにいたいと思う人が・・いて・・」


箸を止めて、桜は俯いた。


「その人に、次の社長もお願いするつもりで・・」

「そうか。兄貴なら、大丈夫じゃないか?」

「えっ」

「それ、兄貴だろ?」


桜の口から言わせるのも酷な気がして、俺から言った。


「お兄さん・・服部社長ね。正直に言うと、選択肢にあったわ。
でも・・やっぱり父のことを思うと、そうじゃないなって。だから、会長にお願いした後に、さっき服部社長にも話していたの」

「・・何を?」


「グループ会社になったら、直生に、社長をやってもらうことはできないか・・って」


え?
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