秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
5.決断
桜に、俺にどうしてほしいか尋ねた時だ。
『あるけど・・それでいいのか分からないから、もう少し考えてみるわ』
あれは、何だろう。
言葉のニュアンスから言って、俺との結婚を意味しているようには感じなかった。
桜が望むならともかく、望まないのであれば無理にそうするつもりも無かった。
ブブ・・ブブ・・。
ジャケットの内ポケットが震えた。
「はい」
「西川です! 専務、いまどちらにいらっしゃいますか?」
やけに慌てた西川の声が聞こえてくる。
「山脇物産の近くにあるコーヒーショップだ・・どうかしたか?」
「すぐこちらに来てください! いや・・すぐにお迎えにあがりますから、そこを動かないでください!!」
「は? 急用なら、俺がタクシーで向かうが」
「そうか! そうしてください。もう、とにかく早く!!」
「分かったから落ち着け」
「落ち着けませんよっ!! 本当にすぐですよ!」
ブツッ、と電話が切れた。
何なんだ、あの慌てぶりは。
西川から電話ということは、兄貴に何かあったのか?
このところ、特に問題になるようなことは起こっていなかったはずだが、とにかく早く来いと言われるとさすがに不安になる。
俺はジャケットを片手に通りに出て、タクシーを拾い会社に向かった。
『あるけど・・それでいいのか分からないから、もう少し考えてみるわ』
あれは、何だろう。
言葉のニュアンスから言って、俺との結婚を意味しているようには感じなかった。
桜が望むならともかく、望まないのであれば無理にそうするつもりも無かった。
ブブ・・ブブ・・。
ジャケットの内ポケットが震えた。
「はい」
「西川です! 専務、いまどちらにいらっしゃいますか?」
やけに慌てた西川の声が聞こえてくる。
「山脇物産の近くにあるコーヒーショップだ・・どうかしたか?」
「すぐこちらに来てください! いや・・すぐにお迎えにあがりますから、そこを動かないでください!!」
「は? 急用なら、俺がタクシーで向かうが」
「そうか! そうしてください。もう、とにかく早く!!」
「分かったから落ち着け」
「落ち着けませんよっ!! 本当にすぐですよ!」
ブツッ、と電話が切れた。
何なんだ、あの慌てぶりは。
西川から電話ということは、兄貴に何かあったのか?
このところ、特に問題になるようなことは起こっていなかったはずだが、とにかく早く来いと言われるとさすがに不安になる。
俺はジャケットを片手に通りに出て、タクシーを拾い会社に向かった。