身代わり花嫁として嫁ぎましたが、どうやら旦那様も身代わりのようです?
第28話 ユーリの真実
ここには旦那様と私の二人だけだ。元々使用人の少ない屋敷だから、きっと誰も入って来ない。ウォルターにはこの部屋にいることだけは伝えているけど、彼は他の仕事で忙しい。
誰にも邪魔されず、ゆっくり話ができるはずだ。旦那様には色々聞きたいことがある。
「リゼット、君に隠していたことがある」
「……はい。そのようですね」
旦那様は冷や汗をかきながらゆっくりと座り、私にも向かいに座るように促した。
「まず、話を聞いていたかもしれないが、君の図鑑に挟まっていた例のスミレには毒が強化される加工がしてあったようだ。君に不要な心配をかけないように報告の場には呼ばなかったんだが、初めから声をかければよかった。申し訳ない」
「いいえ、私が初めから隠れなければ良かったんです。そこは気になさらないで下さい」
「……ヴァレリー伯爵夫人が心配だ」
「はい、その通りです。私の侍女だった人が母の看病をしていますので、すぐに手紙を書きます」
お母様に今でも毒が盛られているのだとしたら。
あの部屋に入ることができる人物なんて限られている。お父様と愛妾のシビル、ソフィ。そしてグレースと主治医くらいだ。
旦那様は考えごとをしている私の方に向いて座り直し、頭を下げた。
誰にも邪魔されず、ゆっくり話ができるはずだ。旦那様には色々聞きたいことがある。
「リゼット、君に隠していたことがある」
「……はい。そのようですね」
旦那様は冷や汗をかきながらゆっくりと座り、私にも向かいに座るように促した。
「まず、話を聞いていたかもしれないが、君の図鑑に挟まっていた例のスミレには毒が強化される加工がしてあったようだ。君に不要な心配をかけないように報告の場には呼ばなかったんだが、初めから声をかければよかった。申し訳ない」
「いいえ、私が初めから隠れなければ良かったんです。そこは気になさらないで下さい」
「……ヴァレリー伯爵夫人が心配だ」
「はい、その通りです。私の侍女だった人が母の看病をしていますので、すぐに手紙を書きます」
お母様に今でも毒が盛られているのだとしたら。
あの部屋に入ることができる人物なんて限られている。お父様と愛妾のシビル、ソフィ。そしてグレースと主治医くらいだ。
旦那様は考えごとをしている私の方に向いて座り直し、頭を下げた。