失われた断片・グラスとリチャード
それでも、たぶん、
美しいと思われる、ゴールデンアンバーの色彩。
最初はランプの光が、
そのまま、反射しているように思えたが。
よく見ると、虹彩の部分は、
赤茶けた大地に、青の湖が点々とあるようにも見える。
見たこともない、
不思議な色合いの瞳だった。
リチャードは、目を細めて、
その瞳に見入ってしまった。
「旦那様、コートと帽子を・・・」
その声で、
リチャードは、我に返ったように答えた。
「ああ、頼む・・」
少女は、ランプをテーブルの上に置き、
コート掛けに、コートと帽子をかけた。
居間の暖炉にはすでに火が入り、
よく燃えている。
リチャードは、ほうと息を吐き、
暖炉近くのソファーに、どっかりと身を預けた。
足がうずくように、痛む。
「旦那様、お茶を・・」
サイドテーブルに、
ティーカップとポットを置いて、
少女は、台所の方に消えた。
リチャードは、
熱いお茶をすすると、
体の緊張がほぐれていくのが、
感じられた。
ソファーの後ろから、声だけがした。
美しいと思われる、ゴールデンアンバーの色彩。
最初はランプの光が、
そのまま、反射しているように思えたが。
よく見ると、虹彩の部分は、
赤茶けた大地に、青の湖が点々とあるようにも見える。
見たこともない、
不思議な色合いの瞳だった。
リチャードは、目を細めて、
その瞳に見入ってしまった。
「旦那様、コートと帽子を・・・」
その声で、
リチャードは、我に返ったように答えた。
「ああ、頼む・・」
少女は、ランプをテーブルの上に置き、
コート掛けに、コートと帽子をかけた。
居間の暖炉にはすでに火が入り、
よく燃えている。
リチャードは、ほうと息を吐き、
暖炉近くのソファーに、どっかりと身を預けた。
足がうずくように、痛む。
「旦那様、お茶を・・」
サイドテーブルに、
ティーカップとポットを置いて、
少女は、台所の方に消えた。
リチャードは、
熱いお茶をすすると、
体の緊張がほぐれていくのが、
感じられた。
ソファーの後ろから、声だけがした。