俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
「そんなに主張されると複雑だが……ま、お互い勤務がバラバラだから買って損はないだろう。サイズはキングでいいな」
「えっ? そんな大きくなくていいですよ、私、こんなにちびなんですから」
頭の上に手をかざしながら自分の身長を示すと、深澄さんがふっと笑って、意味深な流し目を私に送る。
「ベッドってものはひとりで寝る以外に使うこともあんだよ。狭いベッドでつらくなんのはお前だぞ」
「えっ……」
ハッキリと意味はわからないものの、不埒なことを言われているとなんとなく理解し、どきりと胸が跳ねる。
深澄さんはますます妖しく目を細め、身を屈めて囁いた。
「それとも、狭いとこでめちゃくちゃにされるのが希望か?」
「そそ、そんなわけないでしょう! もうっ、からかわないでください!」
耳にかかる生暖かい吐息に全身がカッと熱くなり、スタスタと彼を追い抜かしてパーキングへ向かう。
「待てって光里。馬鹿、危ない」
自分の足元ばかり見て歩いていたら、追いかけてきた深澄さんに突然ぐっと腕を引かれ、広い胸に抱きとめられた。
ふわっと大人の男性の香りに包まれて、心拍数が上がる。