俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
「さっきまで自宅スタンバイだったが、ちょうど何事もなく終わったところだ。明日は休みで、明後日の夜からシドニーに飛ぶ」
私は今日から四連勤なので、相変わらず休みが全く合わない。
しかも、私が休みに入った頃彼はすでにシドニーか……。そのフライトって高城さんは一緒なんだろうか。一緒なら彼女は絶対彼に迫るはずだ。
鷹矢さんは基本的にCAに興味なさそうな態度だけれど、海外のステイ先であんな美人に迫られて平常心でいられる男性なんている?
つい悶々としそうになり、鷹矢さんに気づかれないように小さく首を振った。
「明後日のシドニー便、私が整備できるかもです。その日遅番なんですけど、実地研修の一環で今週は国際線の担当なんです」
「確か、早番二回、遅番、最後に夜勤ってシフトだったな。その後は連休?」
「いえ、今回は単休で、一回遅番を挟んで翌日から連休になります」
「じゃあ、また一週間近くすれ違いの生活だな」
残念そうにため息をつく彼に、きゅっと胸が締めつけられた。
鷹矢さんも、寂しいと思ってくれてる……のかな。
っていうか、〝も〟ってなに? 私、寂しいの? なんで?