俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
「光里、ちょっとこっち来い」
「えっ、はい」
手招きされるまま、ソファの正面に回る。隣に座ればいいのかな?とまごまごしていたら、ぐっと手首を引かれて彼の方に倒れ込んだ。
意図せず彼の体を跨いで座るような格好になってしまい、かあっと頬を熱くしながら慌てて腰を上げる。
「あのっ、今どきますから!」
「馬鹿、いいんだよ。ここに座らせるために呼んだんだ」
「こ、ここって?」
「俺の膝の上。ほら、もっと遠慮なく体重かけろって」
そんなこと言われても……。
密着度の高い体勢にドキドキして、顔から火が出そう。
躊躇いながらもゆっくり腰を落としたら、鷹矢さんが穏やかに笑ってギュッと私の背中に腕を回す。
彼の分厚い胸が耳に触れ、トクトクと、心臓の音が聞こえた。
「……お前って、ホントちっこいな。すぐ壊れそう」
馬鹿にしているようなセリフにも聞こえるけど、不思議と不快じゃなかった。というかむしろ、小動物を愛でるような優しさを向けられたように感じて、妙に気恥ずかしい。
「そりゃ、鷹矢さんと比べたら小さいかもしれないですけど……私、そんなにヤワじゃないですよ。整備士の仕事って体力いるんですから」