俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない

 目を泳がせて答え、パッとうつむく。しかしすぐに鷹矢さんの手に顎を掬われ、鋭い眼差しに射貫かれた。

「魔が差した、ねえ。ホントに素直じゃないヤツ」
「なっ、なにが言いたいんですか?」
「教えてやらない」

 吐き捨てるように言うと、深澄さんはスッと私の顎から手を離す。

 彼ばかりが優位に立っている状況が不本意で、ムッとしながらソファを下りる。

 そのまま部屋を出て行こうとしたら、追いかけてきた鷹矢さんが私の肩を掴んで無理やり振り向かせた。

「鷹矢さん? まだなにか――」

 刺々しい声をあげて彼を見上げた直後、目の前に大きな影がかかって、唇にキスが触れた。

 心臓が大きく脈打ち、一瞬にして体中が熱くなる。

「……いい加減俺に落ちろよ」

 唇を離したものの、まだ至近距離にいる彼がため息交じりに告げる。

「え……?」
「こっちは毎日のように、お前の百倍魔が差してるんだ。お前が自分の気持ち認めないんじゃ、いつまで経ってもこの先に進めない」

 私の、気持ち……?

 どういう意味かと目を瞬かせると、再び盛大なため息をつかれた。

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