俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
胸の内で思わず呟いてから、ハッとする。
今までは、本当に好きになったらどうしてくれるのなんて、自分をごまかしていた。
でも、この胸息づく、甘くて苦しくて切ない気持ち。
私、もしかしてとっくのとうに――。
「……悪い。我ながら嫌な言い方をした。頭冷やしたいからちょっと外出てくる」
「待って、鷹矢さん」
とっさに引き留めると、彼は優しく笑ってポンと私の頭に手を置く。
「お前が寝た頃に帰るよ。また魔が差したら困るからな」
いいんです、鷹矢さん。それでもいいから、そばにいてください。
――あなたのことが、好きだから。
やっと自分の気持ちに気づいても、口に出せるほどの勇気はなくて……鷹矢さんが出て行ったドアをジッと見つめながら、初めての恋の痛みを覚えた胸に、そっと手を置いた。