俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
「海外だから気が大きくなったんだか知らないが、簡単にほかの女と寝るような男のもとに涼野を返すわけにはいかない」
「なにを誤解しているか知りませんけど、ほかの女と寝る? 全く心当たりがありません。……光里、お前も俺を疑ってるのか?」
不意に、鷹矢さんの視線が私を捉えてビクッと肩が跳ねた。
鋭く細められた瞳には、苛立ちのほかに私の信頼を試すかのような色が浮かんでいる気がした。
私だって、信じたい。でも、だったらどうしてあんな写真が……。
返事にまごつきながらも鷹矢さんを見つめ続けていると、ふと彼の様子がおかしいことに気づく。
額からは汗が垂れ、浅い呼吸で肩を上下させながら、服の左胸辺りをギュッと掴む。
「鷹矢さん?」
「……くそっ。なんで……」
鷹矢さんは忌々しげに呟くと、ふらふらと壁の方に移動して乱暴に身を預ける。
これは、ただ事じゃない。私は瞬時に最上さんの背後から飛び出し、彼に駆け寄った。
「どうしました? 胸が痛いんですか?」
「……ああ」