俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
涙ながらに告白した光里。わかっていたつもりだったが、光里は俺が想像していたよりも恋愛に対するアンテナの感度が鈍かったらしい。
俺はふっと苦笑をこぼし、濡れた彼女の目元を指の腹でなぞる。
「だから高城の写真を見た時〝やっぱり……!〟って思ったわけか」
「そうです。だって、その……鷹矢さんが私にその、色っぽい行為を迫ったことは一度もなかったじゃないですか。だから、高城さんの方が本気なのかと」
「馬鹿だな……本気だから我慢してたんだ。で? そんなに泣いて喜ぶってことは、お前も同じ気持ちってことでいいんだよな?」
優しく問いかけると、光里がコクッと頷く。
……それだけか?
この俺がここまで丁寧に導いてやったのに、自分の口からは言わないつもりらしい。
少々ムッとした俺は、両手で彼女の顔を自分のそばに引き寄せると、至近距離で瞳を覗いた。
「ずるいぞお前。俺だって言葉がないと不安なんだけど」
「う、嘘……っ、鷹矢さんこそ、とっくに気づいてるでしょ?」
「ま、だいたいはな。しかしそれでも聞きたいのが男の性ってもんだ。ちゃんと言えたらキスしてやる」
甘く誘うように言って、光里の唇をふにっと親指で押す。
それだけでびくっと体を震わせた光里が、おそるおそる尋ねてくる。