俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
結婚式……。
私たちは始まりが契約結婚だっただけにすっかり頭から抜け落ちていたけれど、親なら式を挙げてほしいと期待する気持ちもあるよね。
それに、鷹矢さんの気持ちに疑いがなくなった今、私も少し憧れる。
いつものツナギ姿じゃなく、綺麗なウエディングドレスを纏って花嫁になった自分を、彼に見てもらうこと――。
「わかりました。鷹矢さんに相談してみますね」
ご両親に笑みを返し、結婚式の話をしたら彼はどんな反応をするだろうと想像を巡らせる。
彼ならきっと、ふたつ返事で賛成してくれる。私のドレスに注文を付けたりもしそうだ。
二十五年間の人生で一度も恋愛に縁のなかった私が、まさか、結婚式のことを考えてこんなにワクワクする日が来るなんて……。
「結婚式?」
「はい。ご両親はとても楽しみにしてくれているみたいでした」
その夜、鷹矢さんとふたりきりになったところで、私はさっそく結婚式について相談した。
明日からはまた四連勤なので、ゆっくり話せるのは今日くらいなのだ。
しかし、鷹矢さんはなぜか顎に手を添え、難しい顔で黙り込む。
「鷹矢さん?」
「……ああ、悪い。お前に似合う衣装をあれこれ着せて、脱がすところまで想像してた。結果、和装も洋装もいい感じに興奮した」
「ちょっ……へ、変態っ!」