俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない

 彼の発言で一気に頬が熱くなり、布団の上から彼のお腹をぺしっと叩く。

「冗談だよ。でも、光里のかわいい姿をたくさん見たいのは本当。せっかくだから挙式も披露宴も派手にやろう。お色直し多めで」
「鷹矢さん……。はいっ、約束ですからね」

 彼の返事がうれしくて、からかわれたことへの不満も飛んでいく。

 パイロットの制服がよく似合うスタイルのよい鷹矢さんなら、タキシード姿もカッコいいに違いない。私もそんな彼をたくさん見たい。

「……明日、早番だったよな。そろそろ帰れ」

 壁の時計が二十時を過ぎたのを見て、鷹矢さんが言う。

 名残惜しいけれど、仕事も大事。彼の言うとおりにした方がよさそうだ。

「そうですね……じゃ、また明日の夜来ます」
「それじゃお前の体が持たないだろ。無理しないで次の休みでいい。検査で変なところが見つからなきゃ、それより前に退院できるかもしれないし」
「でも……」

 別に無理をしているわけじゃない。私が鷹矢さんに会いたいだけだ。

 心の内ではそう呟きつつも、実際は口ごもって俯く。

 気持ちが通じ合ったとはいえ、いつも素直でいるのはなかなか難しい。

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