俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない

 かすれた声で呟いた彼は、愛撫を辞めてギュッと私を抱きしめる。そしてうなじにチュッと口づけをして、大きなため息をついた。

「これ以上続けたら、止まれなくなって心臓やられる。……悔しいがここまでだな」

 鷹矢さんがやめなければ、私もそのまま流されてしまっていただろう。彼はとても残念そうだけれど、私は少しホッとしていた。

 キスをしながら少しの間体に触れられただけで、私が私でなくなるというか……五感の全部を鷹矢さんに支配されて、おかしくなりそうだった。

 あのまま最後までしていたらと思うと、想像するだけで顔から火が出そうだ。

「……残念か?」

 鷹矢さんが、後ろから私の顔を覗き込む。

 微妙に熱を残した視線が色っぽくて、ドキッと脈が跳ねる。

「い、いえっ……! 鷹矢さんの体が第一ですから!」
「すんなり否定されるのも切ないが、しょうがないか。続きはまた今度……な」

 最後にチュッと頬に唇を寄せ、鷹矢さんは私を抱きしめていた腕をするりとほどいた。

 やっとドキドキから解放されて助かった反面、彼が離れたら離れたで、急に心もとなくなってしまう。

 離れたといっても、同じ部屋の中にいるのに……。

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