俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
甘い余韻から抜け出せずぼうっとしているあいだに、鷹矢さんがお茶をテーブルに運んでくれる。
「ほら、いつまでぼうっとしてるんだよ。久しぶりに一緒に食事できるんだ。今日もお前のリクエストに応えてなんでも話してやるからこっち来い」
軽く微笑んだ彼に手招きされるだけで、胸がきゅんと鳴る。
しばらく離れていたせいだろうか。
……私、前よりずっと鷹矢さんを好きになっているみたい。
「今行きます。あの、今日聞きたい話なんですけど……」
キッチンから出て行き、彼の向かいの席に着く。
「なんでもどうぞ。どうせマニアックな仕事の話が聞きたいんだろ?」
そう言って弁当箱の蓋を開ける鷹矢さんに、私は勇気を出して尋ねる。
「今日は、そうじゃなくて……。私を好きになった時のこと、聞かせてもらえませんか?」
割り箸を割ろうとしていた鷹矢さんが動きを止め、意外そうに目を丸くした。
自分で聞いておいて恥ずかしくなり、赤いであろう顔を隠すようにパッと下を向く。