俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない

「それからは、気づいたらお前を目で追ってたし、無線の相手がお前だとガラにもなく動揺した。あとはもう、ずぶずぶ落ちてくしかなかったよ」
「ず、ずぶずぶ……」

 自分にそんな魅力が備わっているだなんて夢にも思ったことがないけれど、現実に鷹矢さんは、こうして私を好きになってくれた。

 運命って、不思議。同じ空港で働く人は数えきれないほどいるのに、こうして私と鷹矢さんの人生が交わるなんて……。

「ちなみに、光里はいつ俺を好きになった?」
「えっ?」
「え、じゃないだろ。俺だけに恥ずかしいこと言わせるの、お前の悪い癖だぞ」

 鷹矢さんに軽く睨まれ、「すみません……」と小さくなる。

 でも私の場合、いつから彼を好きになったのか、彼のように決定的な瞬間があるわけではない。

 ベースには彼を尊敬する気持ちがあって、話してみたら意外と気さくな彼に段々好意が芽生えて……。気持ちがふわふわしてきたところに積極的なスキンシップで迫られて、もう好きになる以外の選択肢がなかった。

「ハッキリ時期はわかりませんけど……なし崩し的に囲い込まれた結果って感じですかね」

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