俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない

 私がそう口にすると、鷹矢さんがガクッと肩を落として苦笑する。

「身も蓋もない……。もっとこう、他に言い方ないのかよ」
「そ、そう言われましても……」
「まぁいいか。過程はどうあれ、俺の努力は実を結んだわけだもんな」

 ひとりで納得した孝也さんは、今度こそ割り箸を割って「いただきます」と手を合わせる。

 病院食以外の食事は久しぶりとあって、どのおかずを口にしても「うまい」と感動している。

 そんな彼を見ながら、私ももうちょっと素直になれたらいいのにと密かに思った。

 きっかけはどうあれ、本当は私だって、鷹矢さんという沼にずぶずぶ落ちていくばかりだ。

 なのに恥ずかしさが勝ってしまって、その気持ちをうまく言葉にできない。

 もう少し鷹矢さんのそばで恋愛を学んで、いつかは素直な気持ちをちゃんと伝えられたらいいな……。

 そんな目標を自分の中にひっそり立てると、私もようやく箸を持って食事を始めた。

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