俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
鷹矢さんと暮らすマンションも豪華だけれど、やはりホテルのスイートルームともなると、非日常感は格別だ。
「部屋の感想は後でじっくり聞かせてもらうとして……今はこっち」
リビングの中央で所在なく立ち尽くしていたら、鷹矢さんにぐいっと肩を抱かれて左手の寝室に連行される。
ドアを開けた瞬間、美しくベッドメイキングされた巨大なベッドに出迎えられ、心臓が口から飛び出しそうになった。
立派なベッドは目の前にあるけれど、次に自分が取るべき行動がわからない。
座るの? 寝るの? それともいきなり服を脱ぐべき……?
「光里」
パニック状態のさなかに名前を呼ばれ、何も考えずに彼の方を見る。
その一瞬で、甘さと獰猛さを孕んだ彼の視線に囚われ、身動きが取れなくなったところで、彼の唇が強引に私の唇を塞いだ。
角度を変えて何度も、貪るようなキスで呼吸を奪われる。
いつもなら、私の反応を楽しんでいるかのような、余裕を感じさせるキスが多いのに、今の彼はまったく違った。
息継ぎのタイミングが少ないし、あっても短い。時折漏れる悩ましい吐息の温度も、普段より高い気がする。
「んっ……鷹矢、さん……」