俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない

 鷹矢さんは眩しいものを見るように目を細め、静かに私を見つめる。それからギュッと私を抱きしめると、耳に触れそうな距離でそっと囁いた。

「俺も初めてだよ。こんなにひとりの女性を愛しく思うのは。……それに、こんなに我慢させられたのも」
「えっ……?」

 聞き返した瞬間、鷹矢さんはガバッと身を起こして、上半身の服を乱暴に脱ぎ捨てる。

 分厚い胸板に割れた腹筋、引き締まった体のライン――美しく均整の撮れた裸体が突然露わになり、目のやり場がない。

 目を逸らしているうちに鷹矢さんはズボンまで脱いでいて、ボクサーパンツ姿で私に迫ってくる。

「全部見てほしいし、俺のことも見たいんだよな? すぐ脱がせてやるから背中上げて」
「いや、それはあの、精神的な意味で言ったつもり……!」
「言い訳するな。俺だって全部見たいんだよ、光里が女になって乱れる(さま)を」

 戸惑う私の言い分など無視で、鷹矢さんは器用に私の背中を浮かせ、ワンピースのファスナーを素早く下ろしてしまう。

 脱がせるときもまったく躊躇がなく、あっけなく下着姿にされた私は、自分の体を手で隠しながら涙目で彼に言う。

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