俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
即答して微笑む鷹矢さんに、どぎまぎせずにはいられない。
初めての夜以降、鷹矢さんはそれまで我慢していたのが嘘みたいにタガが外れ、それはそれは甘い行為で私を骨抜きにする。
その度に自分の体が敏感になっていくのも感じるし、今夜はどんなふうに抱かれるんだろうと思うと、朝から変な気分になってしまう。
「さて、そろそろ出る準備するか」
「あっ、もうこんな時間……」
時計を見るとふわふわしていた思考が一気に現実に引き戻され、ふたりで手分けをして食器を片付ける。
それから身支度を整え、鷹矢さんの車で一緒に出勤した。
空港に着くと鷹矢さんと別れ、ロッカー室で作業服に着替える。
オフィスに出勤しパソコンで作業分担を確認すると、運よく彼の那覇便は私の担当だった。頼れる最上さんも一緒だ。
ホッとするとともに、見慣れない機体の型番を見て、さらにテンションが上がる。
「……これ、まだ整備に立ち会うの三回目くらいかも」
そういえば、もともと複数の旅客機のライセンスを持っていた鷹矢さんは、再訓練を機に従来機種から最新機種の乗務へ移行になったのだと聞いていた。
今まで操縦していた機種とコックピットの配置などは共通性があるため、それほど違和感はないらしい。
ブランクがあるのに余裕綽々なのが鷹矢さんらしい。