俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
「お母さん!」
「久しぶりね、光里。元気そうでよかった」
乗務の時と同じく、きっちりと前髪を横に流したアップスタイル、華やかながら上品なメイクで微笑んだのは、私の母だった。
父に似て背の低い私とは違い、一七〇センチ近くはあるスタイルの良い母。
サマーニットのアンサンブルにタイトスカートを合わせた服装もよく似合っている。
母は昔から私の自慢だ。
「お母さんでしたか。初めまして、光里さんとお付き合いさせていただいております、深澄鷹矢です」
「あなたの噂は知ってるわ。スカイイーストに極上イケメンのコーパイがいるって有名だもの。そんな人をつかまえるなんて、光里、やるじゃない」
「あはは、まぁね……」
母と深澄さんと私で和やかに話していると、黒いオーラを纏った父がゆらりとこちらに歩み寄ってくる。
そして、母をまっすぐ睨みつけた。
「……なにしにきた」
「やぁね、怖い顔しちゃって。近くまで来たから光里に会いに寄ったんだけど、二階のチャイムを押しても誰も出ないから、お店にいるかもって覗いただけ」
「なら店の外で話してくれ。三人で突っ立たれて営業妨害だ」
「ちょっと、そんな言い方……!」