京都鴨川まねき亭~化け猫さまの愛され仮嫁~
「おい」
「きゃあっ!」
突然後ろから声をかけられ、三十センチほど飛び上がりそうになった。
振り向いて息をのむ。真後ろに着物姿の男性が立っていたのだ。
年は二十代後半くらい。背は璃世より頭ひとつ分高い。そのうえ類まれなる容姿を持っている。
和装のせいだろうか、“イケメン”というよりも“ハンサム”と呼ぶ方がふさわしく、着物に包まれていてもスラリと手足が長いことはすぐにわかる。
とにかくこれまで一度も会ったことがないくらいの美丈夫にじっと見下ろされるなんて、ドキドキを通り越してそわそわしてしまう。
うるさく騒ぐ心臓に気を取られかけたけれど、すぐにハッと気がついた。もしかして泥棒と間違えられているのかもしれない。慌てて状況を説明しようと口を開いたが、相手の方が一拍早かった。
「三矢田璃世」
「へ?」
「おまえ、三矢田璃世だろ?」
「えっ!」
思ったよりも大きな声が出てしまい、慌てて口もとに手を当てる。どこかに名札でもついているのかと、自分の周りを見渡すけれどなにもない。
「きゃあっ!」
突然後ろから声をかけられ、三十センチほど飛び上がりそうになった。
振り向いて息をのむ。真後ろに着物姿の男性が立っていたのだ。
年は二十代後半くらい。背は璃世より頭ひとつ分高い。そのうえ類まれなる容姿を持っている。
和装のせいだろうか、“イケメン”というよりも“ハンサム”と呼ぶ方がふさわしく、着物に包まれていてもスラリと手足が長いことはすぐにわかる。
とにかくこれまで一度も会ったことがないくらいの美丈夫にじっと見下ろされるなんて、ドキドキを通り越してそわそわしてしまう。
うるさく騒ぐ心臓に気を取られかけたけれど、すぐにハッと気がついた。もしかして泥棒と間違えられているのかもしれない。慌てて状況を説明しようと口を開いたが、相手の方が一拍早かった。
「三矢田璃世」
「へ?」
「おまえ、三矢田璃世だろ?」
「えっ!」
思ったよりも大きな声が出てしまい、慌てて口もとに手を当てる。どこかに名札でもついているのかと、自分の周りを見渡すけれどなにもない。