京都鴨川まねき亭~化け猫さまの愛され仮嫁~
「なんでそれを……」
呆然とつぶやいたら、呆れたようにため息をつかれた。
「なかなか来ないから探しに出てみれば……迷子になっていたのか?」
訝しげに眉をひそめた彼に、まさかと思いながら尋ねてみる。
「もしかして……『まねき亭』というのはここですか⁉」
「なんだ? 知らずに来たのか?」
あっさりと肯定されて、璃世は両目を大きく見開いた。この近くまで来ていたはずなのに、どうして見つけられなかったのだろう。
だけど今はそれを考えている場合ではない。慌てて振り向き、勢いよく頭を下げた。
「遅くなってしまい申し訳ありません!」
「いや、大丈夫だ。俺はここの店主で、京千里(かなどめ せんり)」
「ありがとうございます、京店長」
「千里でいい」
有無を言わさぬ口調にうなずいたら、突然千里が勢いよくしゃべりだした。
「三矢田璃世、六月十二日生まれ、二十一歳、O型。家族は弟がひとり。性格は真面目で勤勉。長所は寝つきの良さ、短所は方向音痴。身長一五三センチ、スリーサイズは上から八じゅ――」
「わわわわっ! そこまでで結構です!」
慌てて両手を振りながら止めに入る。個人のスマホにどうしてそんな個人情報が。
紹介状代わりに知り合いの親戚のそのまた――の人づてから送られてきたのだろうか。それにしても、璃世のスリーサイズなんて誰も知らないはずなのに――。
千里は当然のような顔をして、さらに驚くことを言った。
呆然とつぶやいたら、呆れたようにため息をつかれた。
「なかなか来ないから探しに出てみれば……迷子になっていたのか?」
訝しげに眉をひそめた彼に、まさかと思いながら尋ねてみる。
「もしかして……『まねき亭』というのはここですか⁉」
「なんだ? 知らずに来たのか?」
あっさりと肯定されて、璃世は両目を大きく見開いた。この近くまで来ていたはずなのに、どうして見つけられなかったのだろう。
だけど今はそれを考えている場合ではない。慌てて振り向き、勢いよく頭を下げた。
「遅くなってしまい申し訳ありません!」
「いや、大丈夫だ。俺はここの店主で、京千里(かなどめ せんり)」
「ありがとうございます、京店長」
「千里でいい」
有無を言わさぬ口調にうなずいたら、突然千里が勢いよくしゃべりだした。
「三矢田璃世、六月十二日生まれ、二十一歳、O型。家族は弟がひとり。性格は真面目で勤勉。長所は寝つきの良さ、短所は方向音痴。身長一五三センチ、スリーサイズは上から八じゅ――」
「わわわわっ! そこまでで結構です!」
慌てて両手を振りながら止めに入る。個人のスマホにどうしてそんな個人情報が。
紹介状代わりに知り合いの親戚のそのまた――の人づてから送られてきたのだろうか。それにしても、璃世のスリーサイズなんて誰も知らないはずなのに――。
千里は当然のような顔をして、さらに驚くことを言った。