次期聖女として育てられてきましたが、異父妹の出現で全てが終わりました。史上最高の聖女を追放した代償は高くつきます!
第30話 休日
給料日後の休日、私たち住み込みの使用人は、買い物のため、みんなで町にやってきた。
この買い物が、使用人たちの唯一の楽しみとなっている。
町に着いてからは自由に行動することができる。好きな店に行って、商品を物色したり、市場でおいしい物を腹いっぱい食べる……といった感じで、思い思いに休日を楽しむ。
私は、この町に来るのが初めてということもあり、ロザリーという同じ年頃の使用人と一緒に行動することになった。
私は本屋の前で立ち止まり、軒先に出ている本を手に取った。
「あんた、本なんて読めるの?」
「え? ……あなたは読まないの?」
私には、ロザリーの問いかけが奇妙に聞こえた。そして、その理由はすぐに判明した。
「そもそも字が読めないんだから、本なんて読めるわけないじゃない! あんたこそ、どこで読み書きを習ったの?」
私は、しばし言葉を失ってしまった。この国に、読み書きができない人がいるとは知らなかった。
「学校には行かなかったの?」
以前、公務で学校の視察に行ったことを思い出した。
「学校? そんなの金持ち連中しか行かないよ。ああ、そうか。あんた、メアリさんと一緒に聖女様のところで働いていたんだっけ。そこで習ったの?」
「え、ええ。実はそうなの」
答えに困る質問であったが、ロザリーが勝手に答えを出してくれて助かった。
「ふうん……。で、聖女様ってどんな人だった?」
ロザリーは、またしても答えにくい質問を投げかけてきた。
この買い物が、使用人たちの唯一の楽しみとなっている。
町に着いてからは自由に行動することができる。好きな店に行って、商品を物色したり、市場でおいしい物を腹いっぱい食べる……といった感じで、思い思いに休日を楽しむ。
私は、この町に来るのが初めてということもあり、ロザリーという同じ年頃の使用人と一緒に行動することになった。
私は本屋の前で立ち止まり、軒先に出ている本を手に取った。
「あんた、本なんて読めるの?」
「え? ……あなたは読まないの?」
私には、ロザリーの問いかけが奇妙に聞こえた。そして、その理由はすぐに判明した。
「そもそも字が読めないんだから、本なんて読めるわけないじゃない! あんたこそ、どこで読み書きを習ったの?」
私は、しばし言葉を失ってしまった。この国に、読み書きができない人がいるとは知らなかった。
「学校には行かなかったの?」
以前、公務で学校の視察に行ったことを思い出した。
「学校? そんなの金持ち連中しか行かないよ。ああ、そうか。あんた、メアリさんと一緒に聖女様のところで働いていたんだっけ。そこで習ったの?」
「え、ええ。実はそうなの」
答えに困る質問であったが、ロザリーが勝手に答えを出してくれて助かった。
「ふうん……。で、聖女様ってどんな人だった?」
ロザリーは、またしても答えにくい質問を投げかけてきた。