次期聖女として育てられてきましたが、異父妹の出現で全てが終わりました。史上最高の聖女を追放した代償は高くつきます!
第39話 流行り病
「病? それは心配ね。 それで、一体、どんな病なの?」
「何でも……咳が止まらなくなるそうです」
「咳が……?」
私はしばしの間考え込んだ。心当たりがあったのだ。
「そう言えば最近、咳の薬を貰いに来る人が増えているわ。何か関係があるのかしら?」
「どうでしょうか……? ただ、その流行り病に罹ると、最終的には息ができなくなって亡くなってしまうとのことでした」
「そう、それなら違うかもしれないわね。私はいつもの咳の薬を出しているだけだし、私の薬を飲んだ人たちはすぐに良くなっているもの。別の病気ね、きっと。でも、これから町に行くときは気を付けてね」
その後、謎の流行り病は全国に広がり、各地で猛威を振るい、多くの死者を出している。
だが、私の住む村では、誰一人として死者が出ていない。それどころか、症状が出る者もいなかった。
皆、流行り病のことは知っていたが、田舎の村で、外からあまり人が入って来ないおかげで、流行り病に罹らずに済んでいると考えていた。
かくいう私も、この村の環境こそが、流行り病の侵入を大きく妨げていると推測していた。
「お嬢さん。森の魔女は今、どちらに?」
ある日、<森の魔女>に会いたいと、一人の若い男性が、私たちの小屋を訪れた。
「何でも……咳が止まらなくなるそうです」
「咳が……?」
私はしばしの間考え込んだ。心当たりがあったのだ。
「そう言えば最近、咳の薬を貰いに来る人が増えているわ。何か関係があるのかしら?」
「どうでしょうか……? ただ、その流行り病に罹ると、最終的には息ができなくなって亡くなってしまうとのことでした」
「そう、それなら違うかもしれないわね。私はいつもの咳の薬を出しているだけだし、私の薬を飲んだ人たちはすぐに良くなっているもの。別の病気ね、きっと。でも、これから町に行くときは気を付けてね」
その後、謎の流行り病は全国に広がり、各地で猛威を振るい、多くの死者を出している。
だが、私の住む村では、誰一人として死者が出ていない。それどころか、症状が出る者もいなかった。
皆、流行り病のことは知っていたが、田舎の村で、外からあまり人が入って来ないおかげで、流行り病に罹らずに済んでいると考えていた。
かくいう私も、この村の環境こそが、流行り病の侵入を大きく妨げていると推測していた。
「お嬢さん。森の魔女は今、どちらに?」
ある日、<森の魔女>に会いたいと、一人の若い男性が、私たちの小屋を訪れた。