生まれ変わっても、君でいて。
夢花の凛とした声が、余計に胸をえぐる。
今どんな気持ちで、そんな言葉を私にかけてくれているのだろう。
夢花を、傷つけたくない。でも、心が追い付かない。
「ずっと黙っているのが、限界だった。でもそれは私の勝手で……だから、こんなこと言ってごめんね」
「いや……、えっと……」
私はぐるぐると頭を必死に回転させて、「ごめん」という言葉を何とか絞り出した。
苦しそうな顔をしているであろう私を見て、夢花は一層悲しそうな笑顔を見せた。
ずっと一緒にいたはずなのに、夢花のことが、分からない。まるで、全く知らない人のように感じる。
「ごめん、今日はもう帰るね……」
夢花が力なくそう言って、立ち上がった。
ここで帰らせたらダメだ。そう思って私も一緒に立ち上がり、思わず彼女の腕をつかんだ。
「夢花がまだ友達でいてくれるなら、私は友達でいたい!」
勢いに任せてそう告げると、夢花は複雑な表情になって、そのまま力なく俯き首を横に振る。
「それは、無理だよ。難しいと思う……」
何で、どうして……? ただ今まで通りに戻りたいだけなのに……。
「私、理由つけて粋と別行動したことにするから、先に戻っていいよ」
夢花は、どうしてそんなに、落ち着いているの。
もしかして、私のこの反応も全部覚悟したうえで、打ち明けたの……?
いったいどれほど悩んで悩んで、告白したのか。私には到底想像できない。
「聞いてくれて、ありがとう。ごめんね」
どうしよう。夢花の顔が、まったく見られない。
俯いている間に、視界から夢花の足先が消えた。
ゆっくり顔を上げると、夢花はあっという間に人ごみの中に紛れていて、見えなくなっていた。
「夢花……」
その日を境に、私と夢花は、一緒に遊ぶことは無くなった。
そして、冬休みが終わり学校に行くと、〝夢花と粋はレズカップル〟という噂が、学校中に広まっていたのだ。
学校内の誰かが、大晦日の私たちの会話を聞いていて、噂を流したらしい。
もう、夢花と一緒に過ごせるわけがなかった。
その後の私はただ必死に、〝自分は普通〟だと、取り繕うことに必死になっていくのだった。
〇
どこが痛いとか、どこが辛いとかはないけれど、日に日に体力が落ちているのをうっすら感じている。
今どんな気持ちで、そんな言葉を私にかけてくれているのだろう。
夢花を、傷つけたくない。でも、心が追い付かない。
「ずっと黙っているのが、限界だった。でもそれは私の勝手で……だから、こんなこと言ってごめんね」
「いや……、えっと……」
私はぐるぐると頭を必死に回転させて、「ごめん」という言葉を何とか絞り出した。
苦しそうな顔をしているであろう私を見て、夢花は一層悲しそうな笑顔を見せた。
ずっと一緒にいたはずなのに、夢花のことが、分からない。まるで、全く知らない人のように感じる。
「ごめん、今日はもう帰るね……」
夢花が力なくそう言って、立ち上がった。
ここで帰らせたらダメだ。そう思って私も一緒に立ち上がり、思わず彼女の腕をつかんだ。
「夢花がまだ友達でいてくれるなら、私は友達でいたい!」
勢いに任せてそう告げると、夢花は複雑な表情になって、そのまま力なく俯き首を横に振る。
「それは、無理だよ。難しいと思う……」
何で、どうして……? ただ今まで通りに戻りたいだけなのに……。
「私、理由つけて粋と別行動したことにするから、先に戻っていいよ」
夢花は、どうしてそんなに、落ち着いているの。
もしかして、私のこの反応も全部覚悟したうえで、打ち明けたの……?
いったいどれほど悩んで悩んで、告白したのか。私には到底想像できない。
「聞いてくれて、ありがとう。ごめんね」
どうしよう。夢花の顔が、まったく見られない。
俯いている間に、視界から夢花の足先が消えた。
ゆっくり顔を上げると、夢花はあっという間に人ごみの中に紛れていて、見えなくなっていた。
「夢花……」
その日を境に、私と夢花は、一緒に遊ぶことは無くなった。
そして、冬休みが終わり学校に行くと、〝夢花と粋はレズカップル〟という噂が、学校中に広まっていたのだ。
学校内の誰かが、大晦日の私たちの会話を聞いていて、噂を流したらしい。
もう、夢花と一緒に過ごせるわけがなかった。
その後の私はただ必死に、〝自分は普通〟だと、取り繕うことに必死になっていくのだった。
〇
どこが痛いとか、どこが辛いとかはないけれど、日に日に体力が落ちているのをうっすら感じている。