ひと夏のキセキ
「うん……」


正直、あそこまで機嫌が悪かったらどう接していいか分からないし…。


次戻ってきたときには機嫌が直ってたらいいなぁ…。


「さっき入ってきたノアって子、遥輝の大ファンでファンクラブの代表みたいな感じなんだよ。ファンクラブっつっても、ノアを遥輝の彼女にするための会みたいなもんだけど。関わったらダルいから絢は避けたほうがいーよ」


「わかった…。やっぱり遥輝ってホントにモテるんだね」


今朝の騒ぎや今の騒動なんてそのほんの一部で、本当はもっとたくさん遥輝のことを好きな子がいて、密かに遥輝を狙ってるんだろうな。


私はまだ出会って1ヶ月も経たないけど、他の人たちはずっと遥輝のことを知っている。


私が知らない遥輝を知っているんだと思うと胸が詰まる。
< 102 / 353 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop