ひと夏のキセキ
「ちょっとだけ付き合ってくんない?行きたいところがある」


行きたいよ。


遥輝と一緒にどこまでも行きたい。


でも……。


「ちょっとだけでも無理?」


せっかくの遥輝からのお誘い。


断りたくない。


でも、いいのかな…。


寄り道しないって約束で外出許可貰ってるのに…。


「お母さんに聞いてみようかな」


お母さんの車までもうすぐだ。


「あそこに停まってる白い車あるでしょ?あれがお母さんの車なの。お母さんに聞いて許可貰えたら行こう!」


「じゃあ俺はここで待ってる。こんな見た目じゃ親御さんには会えねーし」


お母さんという言葉を聞いてピタリと足が止まった遥輝。


金髪で制服を着崩していることを気にしてるんだろうか。


「遥輝って意外とそういうところ気にするんだね」


「するだろ。これからも関係を築いていくうえで第一印象は大事なんだから」
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