ひと夏のキセキ
遥輝が私に不満をぶつけることなんてなかったから、本気で怒っちゃったんだろうな…。


そんなつもりじゃなかったのに…。


「心の準備無しで彼女の父親と会うのは気疲れどころの騒ぎじゃない。お義父さんが居るなら居るって言ってくれ」


「ごめん…。でも、遥輝が来るなんて知らなかったんだもん。怒んないでよ…」


「怒ってねぇよ」


あんな遥輝を見れたのは初めてだったから少し嬉しかったなんて言うと、もっと怒っちゃうんだろうな。


お父さんへの対応や、今の遥輝の反応を見ると、私と本気でお付き合いしてくれてるんだって伝わってきて嬉しい。


お母さんとの時もそうだけど、これからも関係を続けていきたいっていう意思が見えるから。


少なくとも遥輝は、これから先もずっと私とお付き合いしてくれるつもりなんだろうな…。


「俺、失礼なこと言ってねぇかな。大丈夫だった?」
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