ひと夏のキセキ
普段クールな遥輝が取り乱して自省しているのが可愛い。


私にしか見せない姿だと思うと余計に愛おしい。


「何笑ってんだよ。俺がどんだけ焦ったと思ってんだ」


「ごめんごめん。なんだか可愛いなぁと思っちゃって」


「…はぁ?…あぁー…お前といると調子狂う」


あたふたしてる遥輝なんてなかなか見れない。


恥ずかしそうに私を睨む遥輝は、いつもの目力を失っている。


「お父さん、遥輝のこと気に入ってるっぽかったよ」


「ホントかよ」


「ホントだよ?だって遥輝、見たことないくらい愛想良かったもん」


「…イジってんだろお前」


「ふふふ」


付き合い始めて分かったことだけど、遥輝は意外とイジっても許してくれる。


不機嫌そうな顔はしてるけど、その顔が見たくてついイジってしまう。
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