ひと夏のキセキ
「も、もうこれ以上ドキドキさせないで…」


心臓がもたないよ…。


「なにそれ。超可愛いんだけど」


「っ!?」


遥輝ってこんなに甘々な人だったの?


目一杯愛してくれてるのは伝わるけど、恥ずかしすぎるよ。


「あー可愛い。何してても可愛いな」


「もう、遥輝っ。それ以上言わないでっ。恥ずかしいから!」


「可愛いのが悪い」


「もう…」


これ以上なにか言っても無駄だ。


遥輝には到底敵わない。


「絢の浴衣姿見たいんだけど」


「浴衣?」


急に何の話だろう。


「毎年7月31日に学校の近くで祭りやってんだよ。一緒に行こうぜ」


•夏祭りに行きたい


私が書いた願い事。


それも覚えてくれてたんだ。
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